『~もはや、この世界には居ない友人~』

そのまどろみの瞬間に、脳裏に現れたのは昔馴染の友人の顔だった。
彼女と知り合いだったのは学生時代の頃、バイト先であったろうか。

しかし、現在の年齢としか思えぬ面立ちの友人には違和感があった。
こちらを思い出してくれたのか、もしや亡くなられたのかと考えた。

そうするうちに、閃光のように内なるメッセージが届く。

「彼女は、もはや、あなたの世界には居ないのだ。」と。
「彼女は亡くなったのではなく、別の世界に移行したのである。」

「だからと言って彼女の向った世界が、あなたの居る世界よりも
波動が低い、良くないのだとか、そういうことでは決して無い。」

「唯、彼女が移行した世界の集合意識が、思い描く未来社会が、
あなたの居る世界の人々が思い描くものとは、違っているのだ。」

「だからなるべく、明るく幸せな未来社会を、思い描きなさい。」
「どんな未来を希望しているのか、それが分岐点となるのです。」

どんな未来像を思い描くのか。どんな世の中を希望しているのか。
それによって世界線が分かれて行く。類似した思考の人々と共に。

彼女の顔が薄れ、曖昧な記憶の彼方に、消えて行こうとしていた。
今は唯、脳裏に現れてくれた友人が幸せであるようにと願うのみ。

Comments are closed.